【猫漫画レビュー】「ツレ猫マルルとハチ（4）」猫を飼う責任とは

「ツレ猫　マルルとハチ」という漫画を知っていますか？

過酷な外の世界で懸命に生きる野良猫たち、健気に生きる猫たちを守りたい人間。

マルル、ハチなど3丁目で暮らしていた猫たちは保護されて、生きて再会することができました。

これからマルルたちは人間との暮らしに慣れていくことあできるでしょうか。

4巻では保護猫ボランティアスタッフの一人、やすおの過去も明らかになっていきます。

とっても可愛い猫たちの物語。

笑いあり、涙あり、猫いっぱいの「ツレ猫　マルルとハチ」、はコミックDAYSで連載中です！

この記事にはネタバレが含まれております。ご了承いただける方のみ進んでください。

「ツレ猫マルルとハチ」3巻までのあらすじ

4巻の前に、これまでの内容を振り返ってみましょう！

マルルとハチがツレ猫となり、過酷な外の世界を生き延びて共に保護猫になっていきます。

野良猫から保護猫へ

ペットショップ育ちの脱走猫マルル、野良育ちのボス猫ハチ。

育ちも性格も違う二匹だったが、マルルがハチの命を助けたことからツレ猫となった。

餌やりに来るおばあちゃんからエサをもらいながら、過酷な外の世界で懸命に生きていた。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス1巻・2巻より

しかし、餌やりしていたおばあちゃんがいなくなったことで、散り散りになっていく3丁目の猫たち。

力尽きようとしていたハチだったが、最後の力を振り絞りマルルと共に捕獲器の中に飛び込む決意をした。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス2巻より

瀕死状態で見つかったサビ姉さん、歯肉炎で食事が摂れなかったけだま。

さらには、ペルティも同じシェルターで保護されて、3丁目の猫達は無事な姿で一緒にいられるようになった。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス2・3巻より

保護猫スタッフの想い

ハチやマルルが保護されたのは、えり子が経営している保護猫施設。

えり子が保護活動を始めたきっかけは、仕事場で出会った子猫を保護したのがきっかけだった。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス2巻より

えり子一人で猫たちを助けようとしても、経済的にもマンパワー的にも足りない。

野良猫たちの現状を知るにつれ、さらに多くの猫達を助けたくなり保護猫施設を立ち上げた。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス2巻より

泊まり込みで世話をするヤスオ、高校生バイトの宇多ちゃん、サビ姐さんを助けた新メンバーの日野くん。

頼れる仲間たちが増えて、これからもっともっと人と猫を幸せにしていけそうです。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス2巻より

保護猫ハチの人馴れ修業

元飼い猫のマルルと違い、ハチは完全に野良猫出身。

人間が悪いやつだけではないと知っていても、どうしても心を許すことはできない。

しかし、保護猫として人間と暮らしていくためには、ある程度人間に馴れるていく必要がある。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス3巻より

ヤスオが毎日人馴れ訓練を行い、触られてもちょっとは我慢できるようになりました。

それでも、油断するとガブリ！人馴れ訓練は一進一退。頑張れハチ！

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス3巻より

「ツレ猫マルルとハチ(4)」主なキャラクター紹介

3巻からは3丁目の猫仲間5匹が保護されたて少しにぎやかになった保護部屋。

4巻では、新たな仲間たちとの出会い、そしてヤスオの過去が描かれます。

マルル

ペットショップで育ち、家から脱走したオスの白猫。

飼い主に連絡ができたが、引き取りを拒否されてしまい保護猫となった。

運動神経が鈍く、人に触られるのが大好きで穏やかな性格。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

ハチ

野良猫として育った推定5歳のハチ割れのオス猫。

3丁目でボスをしていたが、餌場がなくなりマルルと共に保護猫となる。

人に触られるのが苦手。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

やすお

数年前から猫の保護活動をしている青年。

野良猫を保護していくので「猫さらいのやすお」と猫たちから恐れられているが、ハチからは「悪いやつではない」と認識されている。

猫に詳しいが、実は家で猫を飼ったことはない。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

えり子

保護猫施設を管理をしている女性。

10年前から野良猫を保護するようになり、もっとたくさんの猫を保護するために会社経営を始めた。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

宇多

保護猫施設でアルバイトをしている高校生。猫だけでなくどんな動物も大好き。

SNSで保護猫たちの日常を投稿している。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

「ツレ猫マルルとハチ(4)」ストーリー

4巻では、新たな保護猫仲間が加わります。

他にも元気な宇多ちゃんの夢、やすおの過去についても触れられていきます。

引っ越しと新しい仲間

3丁目の猫たちが5匹保護されたため、少し広い部屋にうつされるようになった。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

同室となった新たな3匹を紹介します。

グレコ

まだ子猫だけど他の猫にも人間にも警戒心MAX。

食事のときは興奮状態で他の猫の食事も奪ってしまうので、吐いてしまうこともしばしば。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

コマ

グレコと同じくらいの子猫。臆病で隠れていることが多いが、グレコとはよく遊んでいる。

ヤスオにはよく懐いているようで、寝ているやすおの側で鳴いている。

布団でおしっこしてしまうのが困りごと。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

アメリ

10歳のアメリカンショートヘア。

悪質なブリーダーの元で生まれ育ち、無理な出産を繰り返していた。

他の猫とつながりを持たず、人間からの愛情も受けなかったので反応が乏しい。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

宇田ちゃんの夢

高校生アルバイトの宇田ちゃんが尊敬してやまないのは、獣医の冬美先生。

勇気を出して、冬美先生に「実は私、獣医になりたいなって思ってて…」と告白する。

「私なんかが志望していいかわからない」と話す宇田ちゃんに、冬美先生は「バカになるほど勉強したら大丈夫！」と勇気づけた。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

そんな折に、乳飲み子にまだ排便できない子猫がいることに、ヤスオは悩んでいた。

もしかしたら鎖肛かもしれない。心配したヤスオと宇田ちゃんは子猫を動物病院へ連れて行った。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

冬美先生はおもむろにベビー綿棒を子猫の肛門へグサッ！

子ネコの叫びと共にたくさんのウンチが出てきました。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

冬実先生のいさぎよい処置にビックリの二人。

獣医への道に少し不安になった宇多ちゃんでした。

ヤスオの過去

話はさかのぼり、親に置いて行かれた9歳のヤスオが祖父母と暮らしていたころの話。

子供のころのヤスオは人前でしゃべれない、名前すら言えなかった。

たくさんの野良猫が集まる団地の中で、おしゃべりな男の子キュースケと友達になった。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

ビニール袋に入れて捨てられていた子猫チャミを助け、チャミはやすおの家を出入りするようになる。

野良猫ばかりの団地で過ごす日々は穏やかで、猫を挟むとヤスオは喋れるようになってきた。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

ヤスオが中学生になる頃、キュースケは遠くへ引っ越すことになった。

団地も取り壊されることが決まり、長年野良猫にエサやりをしていた住民も次々と引っ越していく。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

「この子たちは野良猫だから、本来自然のままにするのが一番なのかもね」と住民は話すが、

「人間が何年も毎日エサやってこんなに猫が増えてしまったのに、いきなりエサがなくなったらこれからどうなるんだ？」と増えすぎた団地の野良猫を見て、ヤスオは不安に思う。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

保護された団地の猫たち

誰も餌を与えなくなると、野良猫たちは飢え、縄張り争いをおこない、交通事故も多くなった。

エサをあげることで猫がどんどん増える悪循環に気付きつつも、目の前の猫を見捨てられないヤスオ。

懐いているチャミだけでも引っ越し先へ連れていきたいが、ペット不可のアパートで連れていけない。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

ヤスオはどうしてよいかわからず、野良猫たちを救う術に頭を悩ましていた。

ある日、学校から帰ると団地の猫たちが大量にケージに入れられており、ヤスオは驚愕した。

「この中に君の飼い猫がいるの？」ヤスオに話しかけたのは、保護猫シェルターを経営している柳という女性。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

市役所に頼まれて保護したという女性は「君が飼っているわけじゃないよね？」と再度確認してきた。

初めて聞いた「保護」という言葉。そして自分が「飼っている」かと言われると違う。

でも猫たちは共に団地で過ごしていて、ヤスオにとって大切な存在だった。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

ヤスオが何も言い返せないでいると、「本当に大事な猫なら最後まで面倒見てあげないとダメなんだよ」と柳は話す。

「団地のおばあちゃんたちが餌やってたんでしょ。かわいがりたい時だけ餌やって増えるだけ増えて、手に負えなくなったら無責任に見捨てたわけだよね。今助けないともっとたくさんの子が死ぬから、ここで止めないと」

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

「ずっと苦しんでたと思うよ」柳の言葉に、「俺たちはずっと猫にひどいことしてたんだ」とヤスオは呆然と立ち尽くす。

そして、ヤスオに懐いていたチャミもいなくなってしまった。

マルルとハチに学ぶ！猫の豆知識

ツレ猫はストーリーのなかに、猫の豆知識も盛りだくさんです。

4巻に出てきた猫情報をまとめました。

猫の自分の匂いのするものがあると安心

縄張り意識の強い猫は、環境の変化に敏感です。

知らない匂いばかりだと、落ち着かなくて食事が摂れなくなることもあります。

猫が使っていたクッション、トイレの砂、食器だけでも継続して使用してみると環境に適応しやすくなります。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

布団におしっこしたときの対処法

布団など布製品におしっこされた場合、洗濯機で洗うだけでは微妙に匂いは残ってしまいます。

匂いが残ると、猫は「布団は自分のトイレだ！」と認識し排尿を繰り返す。

洗濯する前に熱湯をかけたり重曹につけて尿の成分をしっかり分解することが大事です。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

猫は隙間にするっと入る

狩りをする習性がある猫は、隠れられる狭い場所が大好きです。

さらに好奇心も旺盛だから、ちょっとした隙間が空いていたらスルッと入ってしまいます。

猫は足音がしないので、隙間に入ったまま人間に気付かれずに閉じ込められてしまうので注意が必要です。

出典：「ツレ猫　マルルとハチ」コミックス4巻より

「ツレ猫マルルとハチ」プチ情報

「ツレ猫マルルとハチ」をもっと知りたい人のためのプチ情報をお伝えします！

海外でも読まれているマルルとハチ

実はマルルとハチは数か国に翻訳されて、海外でも出版されているそうです。

園田先生の投稿によると、世界の中でも特にフランスで多くの方に読まれているとのこと！

マルルとハチは何か国語かで出版されているのですが　フランスの方に特に読んでいただいているそうです　パリJAPAN EXPOのBamboo Éditionのブースでこんなに大きなディスプレイにしていただきました　フランスの出版社の方ありがとうございます！　Merci beaucoup! https://t.co/auAbDsSBEb

— 園田ゆり　マルルとハチ4巻 (@sonoda_yuri) October 22, 2023

フランスでは2024年1月から、動物愛護法によりペットショップでの犬・猫の販売が禁止となっています。

これは、ペットショップでの衝動買いから犬猫を捨てる人が多かったことが背景にあります。

フランスで「マルルとハチ」が読まれているということは、「動物を飼う責任」について関心が広まっているということです。

「マルルとハチ」が参考にしているYoutube

園田先生が参考にしている中の一つが、滋賀県にある「にゃんずはうす　長浜の保護猫カフェ」のYoutubeだそうです。

実際に巻末のSPECIAL THANKSにも「にゃんずはうす」の名前が載っています。

上の動画は、捨て猫同士で繁殖してしまったところを保護したミコちゃんの人馴れ訓練動画です。

ミコちゃんの幸せのため、手を傷だらけにしながらも人馴れ訓練を行う様子に頭が下がります。

別の動画では、ミコちゃんの人馴れが進んで素手で触らせてくれている動画もあります。

ぜひ、合わせてご覧ください。

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コミックDAYSで試し読み

「ツレ猫　マルルとハチ」はコミックDAYSで連載されています。

コミックDAYSなら毎日もらえるチケットで、ほぼ全話が無料で読むことができます。

「ツレ猫マルルとハチ(4)」まとめ

ツレ猫4巻、いかがだったでしょうか。新しい猫メンバーも気になりますね！

ヤスオの過去編は5巻に続きます。

茫然自失の状態になってから、どのようにして現在の保護猫施設に就職するのでしょうか。

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